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住宅履歴情報(いえかるて)の蓄積・活用

住宅履歴情報(いえかるて)の蓄積・活用のススメ

住宅履歴情報(いえかるて)とは

住宅履歴情報(以下、いえかるて)とは、住宅の設計、施工、維持管理、権利及び資産等に関する情報です。あなたの家を、いつ、だれが、どのように新築や修繕、改修・リフォーム等を行ったかを記録した、住まいの履歴書です。

住宅所有者の役割について

 「いえかるて」の蓄積は、それを活用する住宅所有者の方の役割です。新築時のみならず、修繕、改修・リフォームを行った際には、その情報を蓄積することが重要です。
特に、長期優良住宅の認定を受けられた住宅の所有者の方は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」第11条第1項に基づき、認定長期優良住宅の建築及び維持保全の状況に関する記録を作成し、これを保存する義務があります。

「いえかるて」の活用シーン

点検・維持管理

維持保全計画点検・補修記録等に基づき、建材・設備等の適切な取り替えなどの手入れの時期の判断等が可能となります。

リフォーム

新築時の図面情報等があると、リフォームの計画や、それに向けた検査・診断などをより正確に合理的に行うことができます。

売買

買主が住宅の諸性能や、購入後に行いたいリフォームの実施の可否、将来的な維持管理費用等について、購入の検討段階で把握しやすくなります。

「いえかるて」の蓄積方法

いえかるての蓄積方法には、次の2つがあります。

住宅所有者が保管

住宅所有者が自ら「いえかるて」を管理・保管します。いつでも出して見ることができるように大切に保管して下さい。

情報サービス機関を利用して保管

  • 「いえかるて」の蓄積・活用を支援するサービス機関を活用し、情報を管理する方法です。
  • 住宅所有者が管理・保管する情報を万一なくしてしまっても、サービス機関から受け取ることができます。
  • 図書等を電子データ化して、ウェブ上でやり取りできるシステムを利用するものもあります。
  • また、サービス機関によっては、管理する情報に基づき、点検等の時期を知らせてくれるところもあります。

「いえかるて」として蓄積される図書

契約書

  • 住宅の購入・住宅建設工事に関する契約書及びそれに関連する書類です。
  • 住宅取得の形態によりますが、事業者名、契約金、瑕疵担保などの責任の範囲などの大切な情報が明記されています。
  • また、住宅に付帯する保証やアフターサービスに関する契約等に関する情報も記載されています。

設計図書

  • 住宅を建てる際に作成された様々な図面を住宅履歴情報として管理します。
  • リフォームを行う際には、新築時の図面を参考として利用することとなります。
  • 注文住宅の場合、工事期間中に設計が変更される場合もありますので、それらの変更箇所・内容もわかる竣工図を保管することが重要です。
「竣工図」とは?

建設段階の変更を含めて、住宅がどのように建てられているか、映した図面です。平面図や立面図、断面図などがあります。

申請図書

  • あなたの家が建築基準法、都市計画法等の法令に基づき建てられていることを証明する書類です。
  • 確認済証、中間検査済証、検査済証、瑕疵担保保険関係書類、長期優良住宅適合証などがあります。
  • 確認済証、検査済証、長期優良住宅適合証には、平面図や立面図等の設計図面、使用された建材などが整理されている仕様書等が添付されていますので、設計図面をあわせて保管する必要があります。
「検査済証」とは?

地方公共団体又は確認検査機関が、建築基準法に則って住宅が法令を遵守して建設されていることを確認したことを証する文書です。

工事関連図書・保証書

  • あなたの家の建つ敷地に関連する図面・書類、工事が行われている状況に関する報告書、設備機器等の保証書などです。
  • 設備の入れ替え等を行った場合、新しい機器の保証書などを保存することが有効です。

維持保全計画書 ⇒サンプルはコチラ

  • あなたの家の定期的な点検の計画と修繕内容を定めた書類です。
  • 点検の計画として、屋根や、外壁、バルコニーなどの部位や部材ごとに点検周期と、点検項目、補修・修繕の内容・周期が定められています。
  • 住宅供給者に周期等の考え方について確認を行った上で、この計画書に基づいて維持保全を行います。

定期点検報告 ⇒サンプルはコチラ

  • 住宅供給者や住まい手の方が定期点検を行った際に、報告書を作成します。
  • 報告書も記録として保存することが重要です。

リフォーム工事履歴

  • リフォーム工事を行った際に作成される図面・書類なども大切な情報となります。
  • リフォームに向けた打ち合わせの記録、見積り、図面、設備機器等の保証書などを記録として保存することが重要です。

新築・維持管理段階において保管する主な図書・図面リスト

新築時

【住宅履歴情報のリスト】
「書類・図面等の保存状況」リスト

維持保全時

【点検・補修の記録】

点検があったことのリストと、具体的な点検内容のリスト(コチラ)に分けて整理しておくと便利です。

「維持管理の経過記録 点検」リスト
【増改築の記録】

増改築を行った記録と、具体的な内容については、見積書や設計図面等をリフォーム事業者さんからもらって、一緒に保管しておきましょう。

「維持管理の経過記録 増改築」リスト

維持管理の計画書について

下に示す表は、点検や手入れ、更新・取替え等の維持保全を的確に実施するため、長期優良住宅には、住宅の計画時に作成され、居住者の方に引き渡される維持保全計画書のサンプルです。
どのような考え方に基づき点検の周期や時期等が設定されているか、工務店やハウスメーカー、住宅販売業者等に確認し、手入れや更新・取替えのために必要となる工事費等を確保しましょう。なお、地震・台風等の災害発生時等においては、期間にかかわらず点検を行い、不具合等を発見した場合は専門家に相談・報告してください。

「専門家」とは?

住宅を建てた工務店やハウスメーカー、住宅を分譲した販売事業者のことをこう呼んでいます。住まいの維持保全の力強い味方です。

「木造戸建住宅 30年間の標準的な維持保全(点検、手入れ、更新、取換等)計画」の例

点検・補修記録について

下に示す表は、点検・補修を行った内容を記録するために作成する定期点検・補修記録シートのサンプルです。
専門家に点検してもらう際に、居住者の方も、不具合等の有無や状況を一緒に確認し、点検方法を理解するようにしましょう。専門家による点検がない年に居住者の方が点検を行う際にも、点検した年や確認した部位、不具合の有無等について、シートに記載するようにしましょう。

「木造戸建住宅 住まいの定期点検・補修記録シート」の例