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はじめに

長寿命の住宅は環境に優しい

我が国の住宅については、建てられてから壊されるまでの期間が、欧米諸国に比べ短いという現状があります。

滅失住宅の平均築後年数の国際比較(日本:30年、アメリカ:50年、イギリス:77年)

我が国においても次のような観点から、住宅を長く使用することが重要と考えられるようになってきています。

  1. 省資源、環境負荷の軽減
  2. 国民の住宅に関する費用負担の軽減
  3. 住宅の資産価値の向上

住宅には性能が大事です

住宅は、長く住み続けられるためには一定の基準を満たすことが必要です。

住宅の長寿命化のために必要な性能

  1. 劣化対策:丈夫につくってあるか
  2. 耐震性:大地震にも倒壊しないか、損傷しにくいか
  3. 維持管理・更新の容易性:設備配管の点検や補修がしやすいか
  4. 間取り等の変えやすさ(可変性):長い間にはリフォームも必要です

社会的資産として求められる性能

  1. バリアフリー性能:高齢者にも住みやすいか
  2. 省エネルギー性能:冷暖房費をどの程度低減できるか

その他必要とされる条件

  1. 住環境への配慮
  2. 住戸面積
  3. 維持保全計画の作成

点検・メンテナンス・住まい方が重要です

住宅を長持ちさせて、その価値を維持していくためには、お住まいの皆さまが定期的な点検やメンテナンスを行うことが不可欠です。
住宅を建てたハウスメーカーや工務店等の信頼できる専門家と相談しながら、定期的な点検とメンテナンスを計画的に実施していきましょう。
そのためには、維持保全計画を立てて、どの部分をどの程度の頻度で点検するか、を予め部位や材料に応じて点検間隔を決めておくことが有効です。また、補修についても、材料には想定されている寿命がありますので、この寿命を元にどの程度の頻度で再塗装したり、交換したり、という補修を行うか、見込んでおき、これに基づいて予算を計算、毎年どの程度のお金が必要か整理しておくことが、とても重要です。
この点検と補修の計画をまとめたものを「維持保全計画」といいます。これがあることで点検や補修を計画的に実施することができるようになります。
また、住宅は住まい方でその寿命が大きく左右されることがあります。木造住宅の場合、壁の中や床下の湿気が多いと木材が腐朽したり、シロアリの被害を受けやすくなります。鉄骨造住宅の場合は鉄骨が錆びやすくなります。
こうした有害な湿気を抑えるには、住宅のつくり方も大事ですが、住まい方もとても大事です。ちょっとしたコツのようなものですので、室内や床下の湿気をなるべく防ぐようにして下さい。

※定期点検を行う場合や、万が一不具合が発生した時のために、建物を施工したハウスメーカーや工務店、販売業者などの連絡先を控えておきましょう。

※無料点検を誘い文句に不要な工事の契約を迫る訪問販売トラブルが多発しています。また、国土交通省や地方公共団体から連絡を受けたという勧誘にも十分ご注意ください(国土交通省や地方公共団体がそのような連絡をすることは一切ありません。)。

住まいの記録を大切に保管しましょう

住宅を長く維持していくためには、維持保全計画どおりにメンテナンスをすることはもちろん、建築時や点検時の記録を適切に保存していくことが重要です。適切な維持保全、点検、修繕等を行うことができるよう、建築時の図面や、使用された建材等のリスト(仕様書)、各種設備の取扱説明書、点検結果、修繕時の工事内容の記録などを、きちんと事業者から受け取り、保存しましょう。
最近は、ハウスメーカーや工務店、その他の機関が、図書や点検記録の保存、点検時期の連絡などのサービスを行っている場合があるので、記録を確実に保存するため、こうしたサービスを利用することも有効です。

※図書等は個人情報でもあり、信頼できるサービスを活用ください。

以下をごらんいただいて、お住まいを長く大事にして上げて下さい。