適切な点検・修繕の実施

■ バルコニー・ベランダ

 日本は、世界的にみて雨が多い地域に位置しています。その中でバルコニーやベランダは、常に風雨にさらされているため、破損や腐食しやすい部位です。基本的には、降った雨がなるべく早く、そしてスムーズに流れるよう点検と手入れを行うことが重要です。
防水層
 瓦や化粧スレートのような屋根葺き材を用いない平坦なコンクリートの屋根やバルコニーでは、室内に雨水が浸入しないようにするために防水性のある層を設置します。これを防水層といいます。
防水層には、バルコニーに良く用いられるFRPという繊維強化プラスチックを用い塗膜防水を行う耐水性、耐食性、耐候性に優れたFRP防水や、屋根面に用いられることの多いアスファルト防水、シート防水などさまざまなものがあります。
○起こり得る不具合
防水層は熱による伸縮や地震、経年劣化、下地が動くことなどによって切れることがあります。また、FRP防水、シート防水は火気に弱いので、タバコや花火、バーベキューなどは避けてください。重いもの、とがったものを置くと防水層が切れやすくなりますので、そのようなものは置かないようにしてください。
平らな屋根やバルコニーでは防水層が切れると、ほぼ同時に雨漏りが起き、建物の柱等の構造に悪影響を及ぼし、大切な住まいの寿命を確実に縮めてしまいます。また、補修にかかる費用も上がってしまいます。

 

○症状
ひび割れ、水漏れ
○点検のポイント
住まいのバルコニー・ベランダに出て、定期的にひび割れや変色の有無、排水口の溝がつまっていないか、水が流れにくくなっていないかを目視で観察して点検します。雨の日に雨水が流れる様子とあわせて点検するとよいでしょう。
○対応
バルコニー・ベランダの排水溝のゴミの掃除は、こまめに行いましょう。バルコニー・ベランダと部屋との間の段差はあまりありません。排水溝が詰まってしまうと、大雨や台風の際に排水することができなくなりプール状態になってしまい、あふれた水が室内に浸入してしまうこともあります。
○補修時期の目安
(維持管理状況や周辺の環境により異なるので、あくまでも目安です)
5年程度でトップコート、10年程度で防水層の塗り替えを検討(FRP防水)

軽微なひび割れや切れ



防水層の軽微なひび割れや切れなどは、ご自分で市販のシーリング材サイディングの継ぎ目や、サッシと壁の間などに充填されている弾力のあるゴム状の材料のことです。住宅が地震や風などで変形しても、外壁に隙間ができることや雨漏りすることを防いでいます。をつかって補修することができます。シーリング材はホームセンターなどで購入することができます。

 

手すり
 建物のバルコニー・ベランダは、デザインや条件等に応じて形態や使用する材料が異なります。バルコニー・ベランダには安全性やプライバシーのほかに、通気、採光、景観への配慮、さらに階下に対しては庇としての機能があります。また、手すりの高さは、成人の重心の高さを考慮して1.1m以上と決まっていて、木や鉄、アルミなどでできています。
○起こり得る不具合
手すりには、表面保護のために塗装が施されています。長年の風雨による汚れや傷等により、木では腐朽、鉄ではさび、アルミでは白い腐食が生じます。範囲が広がると、手すりなどがぐらついたり、壊れてしまいます。また、木材は腐朽すると、菌によって分解された成分に中にシロアリを誘引する物質が発生します。放置すると破損が広がり、床の沈みなどを招くこともあります。
ベランダと壁の取り合い部分では、壁にひび割れが発生することがあります。
雨漏り防止のポイントは、できるだけ早く水を流すことです。排水溝が詰まっていないか点検してください。
手すりの根元は水が溜まりやすく、傷みやすい部位ですので要注意です。

 

○症状
木:破損、腐朽
鉄:さび、手すりのぐらつき、破損
アルミ:破損、腐食
○点検のポイント

 住まいのバルコニー・ベランダに出て、定期的に目視で観察して点検します。木は雨水や湿気を受け腐りやすいので、腐朽している箇所を目視で観察します。鉄はさびの有無を目視で確認して、手すりのぐらつきや破損状況を確認します。アルミは長く使う間に汚れや傷、あるいはアルミ以外の金属との接触により白い腐食が生じることがありますので、破損や腐食の有無を目視で確認します。危険を伴う高所などの点検は、専門家住宅を建てた工務店やハウスメーカー、住宅を分譲した販売事業者のことをこう呼んでいます。
住まいの維持保全の力強い味方です。
に依頼してください。

○対応
手の届く身近な場所は、補修を行いましょう。木部は表面の汚れをよく落とし、市販の塗料を利用してひび割れが出る前に塗り替えましょう。鉄部はさびのある部分をサンドペーパーなどでサンディングし、さび止め塗料で下塗りし、完全に乾いてから仕上げ塗装をしましょう。アルミ部は目の細かいサンドペーパーで腐食部分を落とし、市販の透明ラッカースプレーを吹付けましょう。塗料、透明ラッカースプレーはホームセンターなどで購入することができます。
危険を伴う高所などの補修は、専門家に依頼してください。
○補修時期の目安
(維持管理状況や周辺の環境により異なるので、あくまでも目安です)
3~5年で再塗装(木部)
焼付塗装をしているものは5年、通常の塗装は3年をめどに再塗装(鉄部)
バルコニー・ベランダについて、自分でできること!
【点検】

床面にひび割れや変色、排水口・溝が詰まっていないか、水が流れにくくなっていないか。
手すりが腐ったり、ぐらついたりしていないか。

【対応】
バルコニー・ベランダの掃除、特に排水構の掃除をこまめに行う。
木部は表面の汚れを落として市販の塗料で塗り替える。
鉄部は錆をサンドペーパーで落としてさび止め塗料を塗装、完全に乾いてから仕上塗装する。
アルミは腐食部分をサンドペーパーで落として透明ラッカースプレーを吹き付ける。